■なんとイタリアに！　冬の風物詩・焼き栗屋さん

イタリアの栗といえば、晩秋から冬にかけてミラノなどの街角に現れる「焼き栗屋さん」。新聞紙をくるっと丸めて焼き立てアツアツの栗をほおばりながらウインドーショッピングを楽しむ人々は、まるで映画の1シーンのよう!　その佇まいは、観光に訪れる日本女性たちの憧れの的に。素朴で上品な甘さがたまらない焼き栗の味は、どこのスタンドもいつも人が並んでいるほどの人気。暖炉のある家では家庭でも頻繁に楽しまれており、イタリアだけでなく、ヨーロッパの冬の風物詩となっています。

■イタリアの食文化を担う「栗祭り」

また10月には、北イタリアのクネオなど栗の産地で「栗祭り」が盛大に開かれます。これは街中に焼き栗の露店が並ぶだけでなく、音楽を流しながら栗を使った食べ物を展示する、といったまさに栗の祭典。その形態は今っぽくアレンジされていたり、中世のスタイルをそのまま受け継がれていたり、とイタリアの食文化を古くから担う大切な行事となっています。展示される栗菓子は、マロングラッセ、トルタ・カスタニャッチョ（栗のタルト）、各種栗のアントルメ、お隣りフランスのモンブラン。その種類の豊富さからも、栗とイタリアの食文化の関わりの深さが伺えますね。